2016年12月23日

賃金引上げ等の実態

★テーマ★  

 厚生労働省が、平成28年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を公表しました。

 この調査は、全国の民間企業における賃金の改定額、改定率、改定方法などを明らかにすることを目的に、毎年8月行っているものです。今回の調査結果は、常用労働者100人以上を雇用する企業1,709社について集計したものです。


★調査結果のポイント★

1.賃金の改定

(1)全企業のうち、平成28年中に「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」は86.7%(前年85.4%)で、前年を上回る。

(2)平成28年の1人平均賃金の改定額(予定を含む。)は5,176円(前年5,282円)で前年を下回り、改定率は1.9%(同1.9%)で前年と同水準。300~999人規模及び100~299人規模で改定額、改定率とも前年を上回る。

  ※一人平均賃金とは、所定内賃金(時間外手当、休日手当等を除いた毎月支払われる賃金)の一人当たりの平均額をいう。


2.定期昇給等の実施

(1)平成28年中の賃金改定が未定以外の全企業(賃金の改定を実施し又は予定している企業及び賃金の改定を実施しない企業)のうち、定期昇給を「行った・行う」は、管理職68.1%(前年69.9%)、一般職78.4%(同 77.6%)で、一般職は前年を上回る。

(2)定期昇給制度がある企業のうち、平成28年中にベースアップを「行った・行う」は、管理職17.8%(前年20.5%)、一般職23.3%(同 25.0%)で、ともに前年を下回る。


◇詳細は下記でご覧いただけます
 http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/jittai/16/index.html


★まとめ★

 人材不足のため、今はアルバイトの時給も過去最高レベルになっているそうですが、「社員」の給料を上げているところも多いということが調査結果から分かります。

 しかし、一度ベースアップを行うと、下げることは難しくなりますから、まずはそれ以外の方法で、良い人材の確保と定着を図れないのかをしっかり検討していく必要があります。

 賃金アップに頼らないモチベーションアップ、定着率アップ、良い人材の確保について、一緒に考えてみませんか?

  


Posted by SRコナガヤ at 08:00Comments(0)仕事雑記帳トピックス

2016年12月21日

12月のトピックス

◆自民党、時間外労働に罰則付き上限設ける方針 2016/12/12

 自由民主党は、多様な働き方の実現を目指して、党内の「働き方改革に関する特命委員会」で議論を進めていますが、年内に中間報告を取りまとめるとのことです。その中で長時間労働の是正に向けて、労働基準法を改正し、時間外労働に罰則付きの上限を設けることなどを打ち出す方針を固めたということです。


◆日本年金機構 来年の「届書作成プログラム」「仕様チェックプログラム」公開 2006/12/12

 日本年金機構より平成29年1月4日から利用開始となる「届書作成プログラム」と「仕様チェックプログラム」が公開されました。

【届書作成プログラムをご利用される皆様へ】
平成29年1月4日から利用開始となる届書作成プログラムの公開について
 ≫ http://www.nenkin.go.jp/denshibenri/setsumei/0901.html

【届出システムを自社開発または市販ソフトを使用している皆様へ】
平成29年1月4日から利用開始となる仕様チェックプログラムの公開について
 ≫ http://www.nenkin.go.jp/denshibenri/setsumei/0901-02.html


◆与党、税制改正大綱を決定 2016/12/09

 新聞やニュースでも大々的に取り上げられていましたが、今月8日、自民・公明両党は「2017年度税制改正大綱」を決定しました。

 https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/133810_1.pdf


◆「労働者災害補償保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱」の諮問・答申(厚労省)

 【省令改正案のポイント】

1 通勤災害保護制度の対象となる介護の対象家族の範囲について「同居、かつ、扶養」の要件の撤廃
2 勤務間インターバルの導入促進のため、中小企業事業主に対して導入経費の一部を助成する制度の創設

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000144638.html


◆雇用保険制度の見直しについて報告書を公表 厚生労働省 2016/12/06

 厚生労働省は5日、労働政策審議会(職業安定分科会雇用保険部会)において議論を進めている雇用保険制度の見直しについて、報告書をまとめ公表しました。

 見直しに向けて議論が進められているのは、

・基本手当の水準及び平成28年度末までの暫定措置の在り方
・財政運営(雇用保険料率・国庫負担)の在り方

のほか、就職促進給付・教育訓練給付・育児休業給付の拡充などです。

  


Posted by SRコナガヤ at 08:00Comments(0)仕事雑記帳トピックス

2016年12月12日

「過重労働解消相談ダイヤル」の相談結果

★テーマ★「過重労働解消相談ダイヤル」に合計で712件の相談

 厚生労働省が、11月の「過重労働解消キャンペーン」の一環として11/6に実施した「過重労働解消相談ダイヤル」の相談結果をまとめ、公表しました。

 今回の無料電話相談「過重労働解消相談ダイヤル」には、合計で712件の相談が寄せられ、相談内容としては、「長時間労働・過重労働」に関するものが340件(47.7%)と一番多く、次いで「賃金不払残業」が305件(42.8%)だったとのことです。

 下記で詳細をご紹介します。


★相談結果の概要★

◇相談件数 合計712件

◇主な相談内容
(件数は相談内容ごとに計上。括弧内は相談件数712件に対する割合。 なお、1件の相談に対して複数の相談内容が含まれることもあるため、総合計が100%になりません。)

 ・長時間労働・過重労働  340件(47.7%)
 ・賃金不払残業 305件(42.8%)
 ・休日・休暇     53件 (7.4%)


◇相談者の属性 (括弧内は相談件数712件に対する割合)

 ・労働者         432件(60.7%)
 ・労働者の家族      199件(27.9%)
 ・その他         81件(11.4%)


◇主な事業場の業種 (括弧内は相談件数712件に対する割合)

 ・製造業      103件(14.5%)
 ・保健衛生業     101件(14.2%)
 ・商業       89件(12.5%)


◇「過重労働解消相談ダイヤル」では、次のような対応を行ったということです。

・相談者に労働基準法や関係法令の規定、解釈について説明
・相談者の意向も踏まえ、管轄の労働基準監督署や関係機関を紹介


★まとめ★

 上記の結果は、私たち社労士としてはさほど目新しいものではありません。しかしながら、経営者の皆様には、「1日だけの相談ダイヤルに、712件も相談があった」「やはり電通の話などもあって、長時間労働について問題意識を持っている社員や家族は多いようだ」など、気になる情報だと思います。

 特に最後の「相談者の意向も踏まえ、管轄の労働基準監督署や関係機関を紹介」という部分は、「つまり、社員が相談ダイヤルにかけると、労基署のチェックが入ったり、下手をすると、あっせんや労働審判などにつながりかねない。」「外に相談するより、まずは悩みや問題を社内に挙げられる仕組みや雰囲気づくりが大切」と気付いていただければ嬉しいです。

お気軽にご相談ください。
  


Posted by SRコナガヤ at 08:00Comments(0)仕事雑記帳トピックス

2016年12月03日

出産を機に辞める??

★テーマ★ 「出産を機にやめる」は10年前の24.5%から6.9%に

 厚生労働省が先日、同じ集団を対象に毎年実施している「21世紀成年者縦断調査(平成24年成年者)」の第4回(平成27年)と「21世紀成年者縦断調査(平成14年成年者)」の第14回(平成27年)の結果を取りまとめ、公表しました。

下記でその調査結果のポイントをご紹介します。


★調査結果のポイント★

◆1◆ この13年間の結婚の状況(平成14年成年者)

 第1回調査(20~34歳)時に「結婚意欲あり」の独身者の方が、「結婚意欲なし」より、この13年間で結婚した割合が高い。

 ◇第1回調査時に独身だった者がこの13年間で結婚した割合
  「結婚意欲あり」/「結婚意欲なし」
  「男」 57.5%/21.2%
  「女」 66.4%/29.0%


◆2◆ 独身女性の結婚後の就業継続意欲等(平成14年成年者・平成24年成年者)

 独身女性の結婚後の就業継続意欲をみると、 10年前に比べ、「結婚した後も続ける」の割合は高くなり、「結婚を機にやめる」の割合は低くなっている。

 ◇「結婚した後も続ける」/「結婚を機にやめる」
  14年成年者(第4回)  41.8% / 21.9%
  24年成年者(第4回)  44.6% / 17.1%


 「結婚した後も続ける」と回答した独身女性の出産後の就業継続意欲をみると、10年前に比べ、「出産した後も続ける」の割合は高くなり、「出産を機にやめる」の割合は低くなっている。

 ◇「出産した後も続ける」/「出産を機にやめる」
  14年成年者(第4回)  51.3% / 24.5%
  24年成年者(第4回)  65.1% / 6.9%


 ◇詳細は下記でご覧いただけます。
  http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/judan/seinen17/dl/gaikyou.pdf


★まとめ★

 上記調査では、「出産を機にやめる」と答えた「24年成年者」は6.9%とあります。「24年成年者」というのは、今24歳ですから、まだ「出産」が自分事に感じられていないという可能性はあります。

 14年成年者の現状などを知りたいところですが、残念ながらそのデータはありませんでした。

 ただ一般的には、出産を機に仕事を辞める女性は6割ほどと言われています。

 出産後も働き続けたいと思っても、様々な事情で辞めざるを得ない女性は多いということが伺えます。

 優秀な人材を確保するヒントは、そんなところにもありそうです。
  


Posted by SRコナガヤ at 16:00Comments(0)仕事雑記帳トピックス